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お役立ちコラムcolumn

友達とうまく遊べない…発達グレーの“つまずき”と練習ステップ

2025/12/12

――家庭・学校・地域でできる実践ガイド

目次
はじめに:うまく遊べないのは「性格」だけじゃない
いま起きていること:支援の「場」と「しくみ」が広がっている
“つまずき”の正体:典型パターンを知る
エビデンス:友だち作りを教える「PEERS®」
今日から使える:練習ステップ(家庭・学校・地域の三層で)
具体アクティビティ:5つの“遊びのドリル”
保護者の関わり:家庭は“ソーシャル道場”
学校・地域とつながる:相談先の地図
つまずいた時のリカバリ:ミニQ&A
おわりに:小さな成功を“連続”にする
用語ミニ解説
参考にした最新動向
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はじめに:うまく遊べないのは「性格」だけじゃない

いま起きていること:支援の「場」と「しくみ」が広がっている

“つまずき”の正体:典型パターンを知る

発達グレーの子が友達と遊ぶ場面でつまずきやすいポイントを、よくある順に挙げます。

  • 合図の読み取り:相手の「今は話しかけてほしくない」「冗談だよ」の非言語サインが読み取りにくい。

  • ルールの更新:遊びの“暗黙ルール”が途中で変わるとついていけない。

  • 切り替え:負け・中断・順番待ちで感情が高ぶると切り替えに時間が必要。

  • 視点取得(相手の立場で考える):自分の興味を優先しがちで、相手の楽しさとの折り合いが難しい。

  • 言語処理:早口・多人数の会話についていけず、反応が遅れて“無視”に見える。

エビデンス:友だち作りを教える「PEERS®」

思春期以降のPEERS®(友だち作りのSST)は、子どもと保護者が同時に学び、家で保護者が“ソーシャルコーチ”になる設計が特徴。国内外の研究で、社会的スキル・孤独感・友人と集まる頻度などの改善が報告されています。国内の放課後等デイでも、対面×オンラインのハイブリッド実施で有効性が示され、参加継続のしやすさも確認されました。

→ 重要な含意:スキルは場面で使ってこそ定着します。家庭でのロールプレイ→実際の遊び→振り返り、の循環
が成果を左右します。

今日から使える:練習ステップ(家庭・学校・地域の三層で)

ステップ1:観察とターゲット決め

  • 直近1週間の「困った場面」を20〜30秒の短場面で言語化(例:誘われたのに気づかない/待ち時間で離脱)。

  • ターゲットは一度に1〜2個。成功の定義(例:「誘いに3語で返事」「順番カードを2回使う」)を明確に。

ステップ2:環境を整える(先回りの配慮)

  • 視覚支援:順番カード/小さなルール表/休憩カード。

  • 時間の見える化:タイムタイマーや砂時計で待ち時間の予測可能性を上げる。

ステップ3:ミニスキルのSST

  • 誘い方:「いっしょに○○しよう?」→相手がNOでもOKと言う練習。

  • 断り方:「いまは××してる。あとで○○ならできるよ」。

ステップ4:ロールプレイ→行動リハーサル

  • 役割を交代しながら3回繰り返し、具体フィードバック(良かった行動を言い当てる)を即時に。

  • 感情が高ぶる場面は、休憩カード→深呼吸→再参加の手順を体で覚える。

  • 家庭では30秒ロールプレイ×毎日の“超小分け”が続きやすい。


ステップ5:段階的なピア実践


  • 家庭→学校の休み時間→放課後の短時間遊び→休日30〜60分の順で負荷を上げる。

  • 失敗のリペア(修復)の言い方も定型文で準備(例:「さっきは大声出してごめん。つづきしない?」)。

ステップ6:振り返り(評価→調整)

  • 「できた行動」を写真・スタンプで見える化し、成功日誌をつける。

具体アクティビティ:5つの“遊びのドリル”

  1. 順番カードdeマリオネット

    順番カードを自分で掲げて次の人へ渡す。視覚的な切り替え練習。

  2. 気持ちの温度計

    0〜5の表情スケールで今の気持ち温度を指さす→3以上で休憩カード。

  3. ルールの実況中継

    始める前にルールを声に出す→途中変更は全員で言い直す。暗黙ルールの明示化。

保護者の関わり:家庭は“ソーシャル道場”

PEERS®のエッセンスにならい、親がコーチ役に。

  • 称賛:修正=3:1を意識(できた行動を具体語でほめる)。

  • ホームワークを短く日課化(30秒ロールプレイ/週2回の実地練習)。

  • 友達との約束・振り返りは保護者が橋渡し(ショートメッセージで開始と終了を共有)。

学校・地域とつながる:相談先の地図

つまずいた時のリカバリ:ミニQ&A

おわりに:小さな成功を“連続”にする

用語ミニ解説

  • 発達グレー:診断の有無に関わらず、発達特性に関連する困りごとが日常で目立つ状態の通称。

  • PEERS®:思春期~青年期向けの友だち作りSSTプログラム。保護者同時参加・宿題を特徴とし、社会的スキルや交友頻度の改善が示されている。

参考にした最新動向

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