はじめに
現代の教育環境の中で、子どもたちの発達に必要な支援方法として「ビジョントレーニング」が注目されています。このトレーニングは、子どもたちの視覚機能を鍛え、学習への集中力や動体視力、判断力を向上させることを目的としています。ビジョントレーニングは、日本国内ではまだ十分に認識されていないため、その効果や導入の重要性について詳しく解説します。
◆ビジョントレーニングとは
ビジョントレーニングは、眼と脳の協調を鍛えることにより、視覚的な情報処理能力を高めるトレーニングです。視覚は私たちが外界から情報を得る主要な手段であり、その効率を高めることは学習や日常生活において非常に重要です。特に、欧米では80年以上前からADHDや学習障害など発達障害を持つ子どもたちの支援として利用されており、その有効性が確認されています。
◆国内での取り組み
日本におけるビジョントレーニングの普及はまだ始まったばかりです。しかし、ボクシング世界チャンピオンの村田諒太選手やプロ野球選手など、トップアスリートがこのトレーニングを取り入れている事例があります。また、大東市では「ビジョントレーニング研修会」が開かれるなど、教育現場での取り組みが進んでいます。
◆ビジョントレーニングで育つ6つの効果
1 書く力 | ・短時間で板書を写すことができる。・マスからはみ出さず、形を整えて文字が書ける。 ・ひらがな、カタカナの書き間違い(鏡文字)がなく正しく書ける。 ・形を整えて図形が正しく書ける。・筆算では桁をそろえて書ける など。 |
2 読む力 | ・行をとばして読んだり読み間違いをしたりせず音読ができる。・文章をスムーズに読める。 ・文章問題を理解して解ける など。 |
3 作る力 | ・ハサミを上手に使って直線・曲線の上を切ることができる。 ・定規を使って正しく長さを測ったり、きれいに線を引いたりでき る。 ・紙を折る、ひもを結ぶなど手先を使う作業が容易にできる など。 |
4 運動能力 | ・ものとの距離間を理解して、つかんだりよけたりできる。 (例:球技で飛んでくるボールを受けたり打ったりすることができ る) ・お手本通りに体操やダンスができる。 ・平均台をバランスよく渡ることができる など。 |
5 イメージ力 | ・数字や漢字が正しく覚えられる。 ・文字や図形の形を正しく把握できる。 ・上下左右を正しく認識できる。 ・目的地までの順路が覚えられる。 ・忘れ物が少なくなる など。 |
6 集中力 注意力 | ・落ち着きが出る。 ・授業中、学習や作業に集中できる など。 |
(引用:北出勝也著 クラスで楽しくビジョントレーニングより)
◆まとめ
ビジョントレーニングは、子どもたちの潜在能力を引き出し、学習の土台を強化するための有効な手段です。視覚機能を鍛えることで、学習だけでなく、スポーツや日常生活においてもその効果を発揮することができます。これからも国内外の事例を参考にしながら、さらに多くの子どもたちにこのトレーニングを提供していくことが期待されます。
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